FXの自動売買ソフトを購入したら勝手に内容が変更された
群馬県 Tさん 女性
以前、FXの教材商品を購入したところ、自動売買ソフトがサービスでついてきました。
それを使ってしばらく取引をしていましたが、数ヶ月後に「見直しをさせていただき、他社のソフトと統合し仕様変更させていただきました。
ご了承下さい」とメールが来ました。
最初のソフトに問題があり、成績が悪くなっているので見直したということで、他のユーザーもすべて新しいものに乗り換えたのだと思っていました。
しかし、投資仲間から「以前のバージョンの方が良かったのでまだ使っている」という話を聞いて、私も戻したくなりました。
問い合わせてみると、「新しいソフトの成績についてクレームがあり、元に戻して欲しいというお客様が多かったので、そのお客様については対応しましたが、今はしていません」とのことでした。
了承して下さいというメールに私は返事をしていないのですし、了承したことにはならないと思います。
私も元のソフトを使いたいのですが、この会社は元のソフトを提供する義務はないのでしょうか?教材を購入した時、購入後にコース変更ができるとありました。
だからソフトの変更もして欲しいのですが。
このケースでは暗示の同意があったと見なされる
使っていたのなら了承したことになる
確かに了承するとの返事はしていませんが、新しいソフトを使用していた場合は、暗示の同意があったとみなされます。
つまり了承していることになり契約が成立したということです。
これを悪用したのが、一方的に商品を送りつける「送りつけ商法」です。
「送りつけ商法」は、「ネガティブオプション」とも呼ばれ、勝手に送りつけた商品の代金を請求するという詐欺です。
受け取った段階では契約は成立していないので、支払義務はありません。
しかしその商品を使用した場合は契約が成立したことになり、支払を拒否できなくなります。
送りつけ商法への対処法は、注文した覚えのない商品が届いたら14日間は保管することです。
「注文していない」と連絡する必要も、返送する必要もありません。
14日間経つと、あとはその商品を処分しようが使おうが自由になります。
FXの自動売買ソフトの場合はどうか
こちらのご相談の場合、相手の会社に元のバージョンのソフトに戻す義務はないと考えます。
教材商品を購入した際、コースの変更などができるとされていても、このFXの自動取引ソフトはサービスで無償提供されたもののようですし、本来の契約の外にあると思えます。
返事をしなくても契約が成立する例外
商人の間では返事をしなくても承認と見なされる
売買契約は、注文があって、承諾があるのが一般的ですが、この流れが省略されても契約が成立する例外があります。
それは、継続的に取引が行われている間柄で、注文を受けた側が返事をしなくても売買契約をしたことになるというものです。
いつも同じ契約農家から野菜を購入しているレストランが、メールで「次の納品日には通常の商品に加え、ルッコラを10個余分にお願いします」と注文を送るような場合です。
契約農家が特に返事をしなくても、ただちに拒絶しない場合は承諾したものと見なすと商法で決められています。
ただし誰にでも適用されるのわけではなく、継続的に取引のある商人の間柄だけです。
一般の消費者が一方的に注文書を送りつけても、相手の会社は応じる必要はありません。