詐欺被害に遭った人からお金を巻き上げる、悪徳探偵の手口
詐欺被害者から、さらにお金を巻き上げるというハイエナのようなことをやっている人がいます。
それが、悪徳探偵です。
これら悪徳探偵事務所は、「詐欺被害の調査」「返金相談」「証拠の差し押さえ」「詐欺グループの特定」などを掲げ、さも被害金を取り戻せるかのように見せていますが、実際は取り返すことはできません!
犯人を尾行する、調査をすると言ってはその費用を上乗せしていき、お金を巻き上げようとします。
相談に行くと、お金を取り戻したいと藁をも掴みたい被害者の心に付け込んで、すぐに契約するよう促してきます。
調査をしたような報告書は作ってくれても、中身はペラペラ。
相手方の会社所在地に行って外患を撮影するだけなど、何の役にも立たないものです。
中には、実際には調査など何もしていないという探偵事務所もあるそうです。
悪徳探偵による二次被害は増えており、警視庁のサイトでも注意喚起がされています。
そもそも、探偵事務所に詐欺被害のお金を取り戻すことなどできないのです。
詐欺被害にあっても、探偵事務所を駆け込み寺と考えてはいけません。
探偵は返金交渉や取り立て代行はできない。犯人追跡は警察の仕事
詐欺被害に遭ったら、まずは警察に被害届を出すでしょう。
しかし、それっきり何も起こらない。
そうなってくると、泣き寝入りしかないのだろうかと焦ります。
誰かが助けてくれないかと、ネット検索してしまうでしょう。
しかし、探偵事務所に解決力など最初からないのです。
探偵業者にできることは調査のみ
探偵事務所にできるのは、面接、尾行、張り込みなどの調査のみです。
これは、「探偵業の業務の適正化に関する法律」で決められています。
違法な手段での調査や、依頼主とのトラブルが絶えないため、探偵業には制約があるのです。
もし犯人を特定したとしても、返金交渉や取り立ての代行は許されていません。
これらができるのは、弁護士と認定司法書士(条件付き)だけです。
探偵業者が被害金の回収という非弁行為を謳っていたら、それだけで違法です。
犯人の特定、追跡は警察の仕事
警察が何もしてくれない!と焦る気持ちはわかりますが、年間476億円もの被害を出している詐欺事件に対し、警察が何もしていないなどということはありません。
検挙数も増えています。
犯人の追跡は警察の仕事です。
探偵に尾行してもらったとして、被害金の回収にはつながりません。
詐欺被害のお金を取り戻すことは難しいという現実
詐欺被害に遭ってから、お金を取り戻すことは非常に難しいものです。
警察に被害届を出したり、銀行に連絡をすると、犯人が使っている口座をすぐに凍結するなどの処置がとられます。
しかし、残金は数百円で話にならない、というケースがほとんどです。
犯人もプロですので、犯罪用口座にいつまでもお金を置いておいたりはしません。
刑事事件になって犯人が逮捕されてもお金が戻らない
警察の仕事は刑事事件の解決です。
被害金額を取り戻す手伝いはしてくれません。
警察が役に立たないということではなく、被害金額の回収は司法権に委ねられているので、警察は介入できないのです(民事不介入)。
ですので、犯人が特定されたら、その先は話し合いを行って返還を求める、約束を公正証書にするといった手順になります。
話がまとまらない場合は調停、相手が話し合いに応じない場合は裁判となります。
民事で訴訟してもお金が戻らない
お金を取り戻すには、話し合い、調停、裁判などの方法をとります。
しかし、話し合って作った公正証書があっても、調停で返還が決まったとしても、民事訴訟で勝訴しても、お金が必ず返ってくるとは思わない方が賢明です。
「お金を返しなさい」と命令されたとして、犯人が「はい、そうします」と返すと思いますか?
犯人はどこかへ逃げて終わり、というケースが多いのです。
詐欺会社は社名などの名義を変え、そのまま詐欺を繰り返します。
かなり厳しい話ですが、詐欺被害金を取り戻すのは非常に難しいのです。